あるスパに行き、そこの商品、香りの強さについて考えました。

2020年9月24日

最初、名前を出していたのですがGoogleに引っ掛かりそうなので止めました。恐らく、「香害について考え始めました」と言っておきながら、どこに行っているんだというお声が聞こえてくるブランドのスパです。書くかどうか悩みましたが、やはり書く事にしました。

こちらのスパ、数年前から行っています。ほとんどのメニューを全て受けているのですが、今月から新たなメニューが登場したので行ってみたいと思い、先日1年ぶりに行ってきました。また逆説的に、「香害」を勉強し始めている今、行ってみたら何を感じ、何を考えるのかとも思いました。

予め書きますが、私は一つの企業の事を悪く書こうとは思っていません。ほぼほぼのメニューを受けているという事は魅力を感じているという事です。ですがこの度思った事を書き綴ろうと思います。

こちらのブランドについて

新鮮な野菜や果物を使った100%ベジタリアン対応の商品を扱うナチュラルコスメブランド。設立されたのは1995年、イギリス・ドーセット州プールに1号店をオープン。このブランド名は公募によって集められた候補の一つで、フレッシュでグリーン、青々と生い茂ったという意味と同時に、「酔っている女性」という意味があるそうです。この言葉の響きを創立メンバーが気に入り決定したとの事。

新鮮な原材料を使い100%ベジタリアン対応・動物実験はしない、という素晴らしい取り組みをされていらっしゃいます。また、「アースケア」という名の環境に配慮したビジネスを心がけていらっしゃるとの事。片やあのカラフルな色、強い香り。それら商品が、これらの取り組みに矛盾しているのではないか?とも思うのです。この為でしょう、何度か「否」のコメントを見かけたりします。

商品についての見解を書く前に、今回行ったスパの感想を書きたいと思います。

新しいトリートメントメニューを受けてきました

1年ぶりの利用。冒頭に書いたように「香害」を勉強し始め、何を感じるだろうと思いながら店舗へ向かいました。数メートル手前で、「特有の香り」がしてきました。今までも「香りがキツイな」とは思っていましたが、改めてこうまでも強かったか、と思いました。

利用したのは京都四条通り店(日本では新宿と京都しかありません)。繁華街にあるからなのかもしれませんが、京都、景観条例は厳しいのに(その名の通り京都の景観を守る為建物の高さや看板を含む街中のデザインが決められています。今は無くなりましたが、八坂神社前のローソンが青ではなく茶色でした。)、店舗だけではなく近隣までその店特有の香りが漂うのは大丈夫なのか。ホテルマン、香害について考えるーユニバーサルな場所とは でも書きましたが、公共の場所で視覚的&聴覚的なものには規制がかかるのに、受動的に嗅いでしまう「ニオイ」の規制がされないのは何故だろう、と改めて思いました。

既に色々考えている中で店舗に到着。

今回受けたのが新メニュー、サブタイトルが「香りの瞑想」です。いよいよ、「香害勉強しているっていうのに何故受けたんだ」と思われるでしょう。正直、新メニューで気になったからです。そして、使用するのは「ほんのり香る」位だと思っていたのです。

セラピストさんの話によると、ヨーロッパのルネサンス期、体の不調が現れると人々は香水を用いていたそうです。この香水と「四体液説」をコンセプトにされています。「四体液説」とは15~16世紀のヨーロッパで信じられていたもので、PR TIMESにてわかりやすく説明されています。

「四体液説」とは、身体が4つの体液(血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁)でできているとする考え方で、さらに人間のみならず世の中にある生きとし生けるものはすべて熱・冷・乾・湿の4つの性質を有すると考えられていました。この4つの性質のバランスで、身体が4つのタイプ(多血質・胆汁質・憂鬱質・粘液質)に分けられます。バランスが取れている時は健康でいられますが、どれかが過剰にあったり欠乏している時には病気になるという考え方です。ルネサンス期の香りに対する考えは現在のアロマテラピーにほど近く、植物は治療効果があると考えられていました。香りは植物や果物などの物体が極小となり蒸気化したものであり、香ることで元の姿と同じ性質が宿っていると考えられていたため、ルネサンス期の医療において香りは重要な役割を果たしていました。

PR TIMES Inc.

この時丁度ペストが大流行、今と重なる状況だったそうです。音楽、いくつかは当時の楽器や合唱方法を用いて、ルネサンス期に建造された宮殿や教会でレコーディングが行われたとの事。トリートメントルームに入った時から既に鳥のさえずりが流れているのですが、中世において人の心を喜ばせる効果的な方法として考えられており、トリートメントの重要な要素、このスパの象徴であるとの事です。また、トリートメントの最初と最後にセラピストさんが言葉を紡がれたり、照明もロウソクの明かりであったり、、私が感じたのは「映画の世界に没入する感じ」でした。公式では「香りによる瞑想は「今この瞬間」に集中させ、あなた自身をあるがままに受け入れる手助けとなることでしょう。」と謳われています。

このトリートメント、上の写真のように、4種類の香水から1つを選び、それによって内容が変わるそうです。私が受けたのはトップノートの香りと共に軽いストレッチ→ミドルノートの香りと共にマッサージバーを使ってフットトリートメント→ラストノートは首元周りのトリートメントと再度軽いストレッチ、でした。最後は下の写真の物から香りがするドライアイスの白い煙が出てきました。通常1つの香水で時間の経過とともに3段階の香り立ちがするのですが、40分間でそれが出来る訳はなく、3種類?4種類?のものを使ってこのトリートメントの世界を作られます。「ほんのり香る」とは程遠い。経験しないとわかりません。

4種類の香水の選び方は上の写真の手前の黒い布、ここに書かれているいくつかの言葉を見ながら、ここ数ヶ月の自分の感情であったり想いに近い言葉を選びます。これらの言葉は4つに分類され、これが「四体液説」とリンクします。選んだ言葉のエリアと反対側のエリアに相当する香水をピックアップ、この2種類を香って、好きな方をトリートメントとして採用する形となっています。

以前ご紹介した 私の思う日本一のスパ、シャングリ・ラホテル東京CHIスパ は相当コンセプチュアルですが、他の多くのホテルは素晴らしいプロダクトを使って、素晴らしいセラピストさんの素晴らしい手技があって、素晴らしい施設であって、、というところで完結しています。それだけでも十分素晴らしいのですが、このスパが突出しているのは、この世界観の作り方だと思います。ですのでこれを味わいたく、香害について勉強している最中でしたが受けに行きました。

このようにスパとして素晴らしい商品(メニュー)を提供されていらっしゃいますが、やはりこちらの商品や店舗についてはどうなんだろう、と思う部分もあります。

着色料

こちらの商品の特徴に、カラフルさがあると思います。創設者の遊び心やこだわりから来るものと思われます。「ナチュラルコスメブランド」と謳っていてあのカラフルさ、、と思う方も多いと思います。

こちらで使用する色素は、カルシウムやナトリウムのような鉱物を塗料で染めた薄いガラスの片でできているホウケイ酸ガラスを使用したもの、この素材は自然発生の素材で、着色する際に使われる塗料も環境への影響は無いそうです。また、可能な限り食品にも使用が出来る着色料を使用、合成マイカ(マイカ=商品に輝きを与える鉱物の名前、キラキラした素材)、鉱物、自然のでんぷんなどもこれに相当するとの事。バスルームから流れ出るグリッター類は、海まで流れ着く可能性がありますが、こちらの商品であれば環境にも優しいそうです。へえ~、って感じですよね。安全な原材料のようですが。でも、せっかく新鮮な野菜や果物を使っているのであれば、その素材そのものの色だけではダメなのでしょうか。キラキラは必要でしょうか。必要と思って作られているのですから、このブランドにとっては必要なのでしょうね。しかしながら、矛盾しているような気がします。

香料

これが一番の問題かと思います。着色料については、嫌であれば本人が使わなければ良いだけの話ですが、香料は前のいくつかのブログでも書かせて頂いていますが、受動的に匂ってしまいますし、行き過ぎた香料の使用は健康に影響を及ぼす可能性が高いです。それこそ、店舗に入店していないのに付近数メートルまで匂うというのは、やはり尋常ではないと思います。石鹸類が量り売りの為むき出しになっているのも原因の一つでしょう。また、石鹸やバスボムが簡易包装の為購入し持参している方、身に纏っている方が身近にいればニオイに敏感な方、化学物質過敏症の方は体調を崩すと思います。というか、そのようなコメントをたくさん見ました。今回のメニューを受けた自分、想像以上に香水を使っていたので相当な匂いを纏っていたと思います。帰りの電車の中、申し訳なさでいっぱいでした。

地球環境の事を想う活動は素晴らしい事です。ですが、香りに関しては「嫌だったら使わなければ良い」という訳にはいかないので、他の投稿でも書いているとおり、「苦しんでいらっしゃる方もいる」という事を念頭に入れて頂き、香料の量を少なくした方が良いと思います。これも着色料同様、創設者・会社のこだわり、必要なファクターでしょうから、日本人が声を上げても難しいでしょうが、、

ちなみに香料については、天然のエッセンシャルオイルを基に、調合の際に必要に応じサポートとして合成素材を配合して作り上げているとの事。動物を犠牲にしない為の合成ムスクの他、天然の香料素材が手に入らない場合(パイナップルの香りなど)には合成香料を使用されているそうです。天然の香料素材が手に入らないのであれば、そのような商品作らなくても、、と思ってしまいます。やはり、矛盾を感じてしまいます。また、着色料や原材料は公開されているのに、香料の処方が公開されていないのは何故?と思います。公式を見ると理由が書かれているのですが、私はハテナ?と思いました。ここに、強すぎる香りの秘密があるのではないでしょうか、、

香料の強さ。イギリスの会社であるこのブランド、海外の方はやはり香水をつけられる比率が多いのでー日本人の嗅覚が繊細というのもあるのでしょうがー、いくら日本人が「変更してくれ」と言っても無理なお願いなのでしょう。

このブランドに望む事

上記以外にも、賛否別れる見解がある原材料(ラウリル硫酸ナトリウム等)が入っている商品もあります。ラウリル硫酸ナトリウムについては公式でも問題ないと仰ってますが、他のメーカーさんでは「体質によっては大きく影響が出る方がいないとは言えない」「安全性に賛否ある成分は極力使用しない」と言っているところもあります。消費者としてはその方が有難いと思います。

多くのファンがいるのも確かです。この香りを好む方もたくさんいらっしゃいます。日本から撤退する事はないでしょうし、個人的にも撤退してくれとは思っていません。

ただ、今回スパに行った事で改めて思ったのは、店舗の外まで匂うというのはダメだと思います。敷地外ですし。そうしたら飲食店の匂いはどうなるんだ、という屁理屈も聞こえてきそうですが、そういう問題ではありません。元々扉の無い路面店やショッピングモールで展開されていますし、扉があったと仮定してもこのコロナ禍。換気の為開けっぱなしにしないといけないでしょう。そうなると、やはり体調を崩されてしまう方もいるのですからこの香料の配合を落とすとか、コロナ禍が終われば全ての店舗で扉を作って外に匂いが出ないようにするとかした方が良いと個人的には思います。叶わぬ思いでしょうが、、ですが、イギリス本社に届いた方が良いと思いますし、せめて日本支社で協議してほしいと思います。それこそ全て現地で「手作り」しているのであれば原材料の配合は何とかなるのではないでしょうか。日本にマッチした香料の配合が出来るのではないでしょうか。

再度書きますが今回の見解は、個人の一意見です。それに、やっぱりスパのメニューは秀逸だと思います。公式YouTubeでその世界観に少し触れられますので、良かったら見てみて下さい。

こちらのスパでは、最後にトリートメントによって異なるドリンクが出されます。これはいわゆる「ホットレモネード」だったのですが、『ルネサンス』では4種類のうち選んだ1種類の内容に応じたお砂糖を使って作られます。そして、ドライアイスが入っているのでお湯を入れたらモクモクと煙が出てきます。このドライアイスも考えた方が良いものなのでしょうが、、人体に悪いなら使わない方が良いとは個人的には思いますが、世界観の作り方はやはり凄いと思います。



ホテル

Posted by masuko