ホテルマン、香害について考える 2 ー何故香りに頼るのか

2020年10月26日

ブログ、51記事目。初心者への指南を調べていると、全てのところで「上質な記事を書く事」を推奨されています。それはそうですよね。そこで、私はやはり一番読んで頂けた=過去の投稿で少なくとも一番伝える事が出来た記事は ホテルマン、香害について考えるーユニバーサルな場所とは でしたし、1回きりで終わらせるのではなく、都度都度書く事に意味があるのではないかと考えました。そして現在、強い香りがダメになりました。子どもの時以来、百貨店の化粧品コーナーが辛くなりました。自分も匂いに敏感になった事で、より「宿泊施設に香りの演出は必要か」と考えました。この2点から、現在キーボードを打っております。

あらためて、「化学物質過敏症」と「香害」について触れます。

化学物質過敏症とは

化学物質過敏症(かがくぶっしつかびんしょう)とは、非常に微量の薬物や化学物質(主に揮発性有機化合物)の曝露であっても健康被害が引き起こされるとする疾病概念。2009年10月1日厚生労働省は化学物質過敏症を認め、病名をICD-10(国際疾病分類)の中毒の項(T65.9)に分類し登録した。人体の薬物や化学物質に対する各個人の摂取及び蓄積許容量を一定以上超えると引き起こされるとされており、解毒、代謝等の各個人の差も関わっているといわれている。化学物質の摂取及び蓄積許容量と同様に、発症原因および症状、その進行・回復速度や度合いも多種多様であるといわれる。一度発症すると発症原因となった化学物質に類似した化学構造の成分にまで症状が広がるケースが多く、症状を発する対象化学物質が雪だるま式にどんどん増加し、普通の生活が送れなくなるケースもあるため、多種化学物質過敏症または本態性環境不耐症とも呼ばれる。化学物質過敏症の症状は多岐にわたり、粘膜刺激症状 (結膜炎、鼻炎、咽頭炎、皮膚炎、中耳炎、気管支炎、喘息など)、循環器症状 (動悸、不整脈など) 、消化器症状 (下痢、便秘、悪心など)、自律神経障害(異常発汗、手足の冷え、易疲労性)、精神症状 (不眠、不安、うつ状態、記憶困難、集中困難、価値観や認識の変化など)、中枢神経障害 (痙攣、頭痛、発熱、疲労感、光を眩しく感じるなど) 運動障害、四肢末端の知覚障害、意識障害などがある。

ウィキペディア

香害とは

香害(こうがい、かおりがい)とは、香水や、合成洗剤・柔軟剤・入浴剤・防虫剤・化粧品・芳香剤などに含まれる合成香料に起因し、頭痛やアレルギーなどの症状が誘発される、化学物質過敏症を生じる。香りの感じ方には個人差が大きい。不快感のみならず、咳・喘息や頭痛、吐き気といった身体症状を発する例もある。香り成分は空気中に漂うため受動的に曝露することになり、いわば香り成分による公害であることから「公害」をもじって「香害」と呼ばれるようになった。発生要因として、香料成分をマイクロカプセル化した残香性の高い製品や、洗濯時に香りが強く残る柔軟剤を使用することなどがある。

ウィキペディア

何故ホテルは香りに頼るのか

今回この題材で書くにあたり、どういったホテルがパブリックエリアでアロマディフューザーを使っているのか調べました。、、結構使っていましたし、外資系は特に使っていました。私が今まで行ったところもたくさんありました。その時は、全く匂いを気にしなかったのでしょう。そういう人は多いと思いますし、むしろ「良い香り!」と仰る方が多いのだと思います。私は「良い経験」をさせて頂けたのであまり否定的な事は言いたくないのですが、こういう事が「化学物質過敏症」「香りに敏感」な方に寄り添えていないのかな、、と思いました。

何故ホテルは香りに頼るのか。簡潔に書かれていたのが、またもや2018年のDIAMOND onlineの記事でした。

ホテルがブランディングのために用いるケース。特に、外資系のラグジュアリーホテルで導入が進む。この場合、各ホテルが演出したいイメージや、ターゲットとする客層などを考慮した上で、個性的な香りが選ばれる。その結果、他ホテルとの差別化が図れるのだ。

DIAMOND,Inc. 

masukoが働いていたところも、香りを発生させていました。上記の記事のとおりブランディングの為ですし、ホテルにストーリー性を持たせる為です。過度の香りがついたホテルのアメニティ で書いた様にラグジュアリーホテルであったりすると、アメリカやヨーロッパ、アジアといったところにある本社でホテルブランドとして提供する概要を決められるので、そのホテル単体ですら、例えば「パブリックエリアのアロマ止めましょう!」とは言えないのです。

先述の通り、多くの方にとってアロマが漂うホテルは「良い香り」で、「化学物質過敏症」「香りに敏感」は絶対数から考えると「少数」なのでしょう。現在、あらゆるところで「少数にも寄り添う」考えが浸透してきていると思います。強い香りで苦しんでいる方が一定数いる現在、ホテルという公共性の高いところでは香りの演出は控えるべきではないかと改めて考えます。特に世界中に展開している「ラグジュアリーホテル」であれば、なおさら考える時なのではないでしょうか。

ホテルと香り、今後について

同じ2018年のDIAMOND onlineでは、次の様にも書かれています。

香りビジネスがここまで広がっている背景には、脳科学の見地による裏付けもある。(中略) 視覚や聴覚、触覚、味覚などを感知する器官は、進化の過程で脳の周辺部分に発達した。それに対し、嗅覚を感知する器官は脳の中枢部分にあり、感情をつかさどる扁桃体や、記憶をつかさどる海馬のすぐ近くにある。そのため、刷り込み効果がより大きいのだ。

「日本は、まだまだ香り後進国」(中略)。香水文化が早くから発達してきた欧米と比べ、日本における香りビジネスの規模はまだ小さく、大きな“伸びしろ”があるというのだ。

DIAMOND,Inc. 

もう1つ、気になる記事が。

日本では欧米などに比べ香水の利用者が少ないが、歴史をひもとけば「源氏物語」に登場する女性が香りとともに描かれるなど、日本もまた香りとの縁が深かったことがわかる。

SB Creative Corp.

確かに、日本にもお香の歴史があります。古くは飛鳥時代の595年、『日本書紀』に日本で最も古いお香の記述があるそうです。奈良時代は主に仏前を浄め、邪気を払う「供香」として用いられ、宗教的な意味合いが強いもの、平安時代が上の記事でも触れているように、香料を複雑に練り合わせ、香気を楽しむ「薫物」が貴族の生活の中で盛んに使われるようになったとの事。貴族たちは自ら調合した薫物を炭火でくゆらせ、部屋や衣服への「移香」を楽しんだそうで、香の記述は『枕草子』や『源氏物語』にも散見されているそうです。

しかしながら、私ごときがおこがましいのですが、「香り後進国」だったのにはそれなりに理由があるのではないでしょうか。やはり強い香りが苦手な日本人は一定数いると思います。そもそも海外の方が香水をよく使うのは、体臭を消す為と言われており、体臭が少ないといわれる日本人にはそこまで香りが必要な文化ではなかったのだと思います。

私の予想、そして願いですが、今後ホテルは「香りに頼らない演出」に舵を切るのではないでしょうか。香水を好む海外であっても、ホテルに於いては変化していくと予想します。自然環境への配慮を啓蒙していますし、香りに苦しんでいる方がいる、そして今のままだと何時、誰が「化学物質過敏症」になってもおかしくないと、ホテル業界が気付く日を願います。何より、香りが原因で来館出来ないというのは勿体ないですし、私の大好きな「ホテル」という世界に多くの方に来て頂きたいです。繰り返しますが、ホテルは誰でも居心地の良い空間を目指し、提供すべき場所。ユニバーサルな場所を目指してほしいです。



ホテル

Posted by masuko